朝日新聞 2016年2月3日08時24分
http://www.asahi.com/articles/ASJ232RNGJ23UBQU00K.html

 職探し中の人が介護職の技能を学んだり、資格取得のための勉強をしたりする公的な職業訓練で、利用者が定員を大きく下回っているのは周知が足りないからだとして、総務省は2日、厚生労働省に対して改善を勧告した。

 求職者むけの公的な職業訓練は、国や都道府県が実施するものと、国から委託を受けたり助成金をもらったりした民間の専門学校やNPOが実施するものがある。介護以外も含めた訓練の受講者は2014年度に約19万人いて、うち約8割は民間の訓練を受けた。

 総務省によると、民間委託した介護分野の訓練の定員充足率は14年度に72・3%で、全体の82・6%を下回った。介護分野は就職率は高いものの、仕事が大変なため、受講者が集まりにくいという。

 総務省の調査では、民間の機関が訓練コースについて説明する場を設けたハローワークが約2割にとどまっていたこともわかった。同省は「人を集める努力が足りない」(行政評価局の特命担当)として、もっと積極的に周知するよう厚労省に勧告した。